SNSの投稿からみる「#卒業旅行」に関する調査レポート

株式会社ジャパン・カレント(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:齋藤理、以下「ジャパン・カレント」)は、写真共有アプリ「Instagram*」より、トレンドに関する投稿の分析を行いました。

卒業旅行冬の空のイメージ
※Instagramは、写真や動画を他人と共有するための無料SNSサービスです。画像という特性上、投稿写真にはコメントやハッシュタグなどの文字情報には表れない多くの情報が含まれ、企業にとって「今話題のモノやコトは何か」「それがどのように利用されているのか」といった消費者の動きを最も早く知ることができるツールの一つとなっています。

調査レポート作成の目的

SNSに投稿された内容を分析することで、ユーザーに好まれているものや興味がもたれているものが何かを理解することができます。ユーザー行動を理解することは、商品開発やキャンペーン企画の立案、競合他社等の3C分析にも有効な手法だと我々は考えます。

本レポートが少しでもお客様の販売戦略の参考になれば幸いです。

調査概要

今回はInstagramに投稿されたハッシュタグ「#卒業旅行」に関する投稿内容を分析しました。
4月も終わり、多くの方が卒業旅行を楽しまれたのではないかと思います。1月から4月上旬までの期間で投稿量の多い週(=旅行ピークと捉えることができる)や人が集まるスポットでの楽しみ方等を弊社の「SNS画像解析サービス」の手法で見える化します。

AIによる画像解析は、画像からオブジェクトを認識してテキスト化し、そのテキストを中心とした分析(テキストマイニング)をする手法が一般的です。ただし、この手法には、AIが学習していない新しいもの(テキスト情報として認識できないもの)など、比較的新しい情報が抽出できない弱点や、テキスト化できる単位でしか集約できず、より詳細な情報(特定のシーンや雰囲気など)の分類が苦手といった弱点がありました。弊社では、画像を画像としてそのままAIが分析する独自の手法をとっており、この弱点を克服しています。

具体的には、下記「例1」→「例2」のように約12,000件の膨大な投稿画像をAIが特徴に合わせ人が判断できる量(42グループ)に分類し、分類された投稿を視覚化することで関心の高い「モノ」や「コト」を見える化します。

例1)AIを活用した画像分析 グループ化前(動画)

例2)AIを活用した画像分析 グループ化後(動画)

投稿数からみた考察

「#卒業旅行」で投稿されている件数は、5月9日時点で762,950件ありますが2018年の該当期間(1月〜4月上旬)に絞り込むと144,505件(弊社調べ)になります。

投稿数の表
投稿の多い時期は、2月19日〜4月1日で3月5日〜25日の週が最も多くなっています。

投稿数の他にユーザー数、like数も確認してみました。
ユーザー数は、投稿したユーザー数となり、平均すると1人が約1.8件投稿していることになります。Like数は、ユーザーをフォローしているユーザーのLike数で、平均すると1投稿あたり85人がLike(共感)していることになります。

画像からみた考察

3月26日の週より約12,000件の投稿を解析しました。
投稿画像の特徴をもとにAIが分類すると42グループに分類されました。

例)グループの見える化(下記画像はイメージです)
グループの見える化のイメージ

上記例の通り、弊社の分析手法では、画像がまず人が見て判断できるグループに分類されます。各グループの画像を見ることで、「旅行先でどのような食事をどのように食べているのか」、「思った以上に大人数で旅行に行っている」等、投稿されている様々なシーンがわかります。

下記は投稿数の多かった上位20までの分類一覧となります。 本来は画像でお見せしたいところではありますが、文字情報として紹介いたします。

例)分類一覧 投稿数TOP20
分類一覧 投稿数TOP20のイメージ

投稿数で多かったのは飲食になります。旅行先で歩きながら手軽に食べられるソフトクリームやカフェが多いですが、テーマパークでの飲食もキャラクターが描かれたものなどが数多く投稿されています。 3位にも東西のテーマパークが入っていますが、写真スポットも多く、卒業旅行先としてもやはり人気の場所になっています。

4位の着物は、記念撮影などもあるようですが、着物を着て京の街を散歩している写真も多く見られました。5位以下のビーチ(海水浴)、水中、飛行機、スキー・スノボ等も同様ですが、旅行先での”コト(体験)”が投稿の中心になっているようです。

旅行先(どこへ行った)ではなく、コト(何を体験した)に共感を得たいという投稿が多く、さらには「卒業旅行で写真を撮る(SNS投稿)」コト自体も現代の卒業旅行における新たな楽しみとなっているのだと我々は考えます。

モノ造りに関する戦略

ジャパン・カレントでは、体験型モノ消費=「コトをもっと楽しむためのモノ消費」の商品開発が今の時代に求められていると考えます。例えは、ロックやジャズミュージック等のフェス(コト)でミュージシャンとのつながりをより強くするラバーバンドやTシャツなどのグッズやその場でしか味わえない飲食(モノ)、あるいは最近ではもっと直接的に、Instagramに投稿してLikeを多くもらうこと自体を目的とした、その場に行かなければ買えないフォトジェニックな食べ物や商品なども数多く出てきています。

モノを買ってもらうには、トレンドを知り、少しずつ形を変えていく「モノ造り」や「ターゲットに届ける方法」が重要です。

本レポートで用いた分析は、AIを活用した弊社の「SNS画像解析サービス」を使用して行いました。SNS上に投稿された情報から「利用シーン」「人物」「物」などに分類してそれぞれの言葉の結びつきを分析するとともに、画像そのものの分析により新たなトレンドなどを「見える化」することが可能です。


AIを活用したSNS画像解析サービスの詳細は、Webサイトをご覧ください。
 https://www.japan-current.com/services/sns-analytics/


ジャパン・カレントは、今後もマーケティングにITを組み合わせることで新たな価値を提供していく取り組みを続けてまいります。




株式会社ジャパン・カレントについて

 ジャパン・カレントは、デジタルマーケティングサービスプロバイダとして2015年に株式会社ラックの子会社として設立。以来、「顧客分析」「効率的な広告の出稿支援」「コンテンツ制作」「SEO対策」「マーケティングオートメーション活用支援」を始め、デジタル領域での売上向上/販売促進支援など、弊社が得意とするデータ分析力でお客様のマーケティング活用を支援しています。なお、親会社であるラックは、サイバーセキュリティ分野におけるリーディングカンパニーです。


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