夏休みはみんなどこ行った?夏の代表的なスポット・アクティビティをSNSより分析

株式会社ジャパン・カレント(本社:東京都千代田区、代表取締役:齋藤理、以下「ジャパン・カレント」)は、写真共有アプリ「Instagram」の投稿写真やコメントに含まれる情報を解析し、販売戦略に必要な季節要因のマーケット分析を行いました。

夏休みのスポット・アクティビティ

調査レポート作成の目的

夏の季節は多くの方が連続休暇を取得する傾向にあり、SNSに投稿された多くの写真やコメントを解析することで消費者がどのようなモノやコトに興味を持っているかを理解することができます。地域別の特徴やアクティビティ別の特徴を理解することは、翌年以降の夏の季節に向けた販売戦略を検討する際に有効な手法です。
本レポートがお客様の販売戦略の参考になれば幸いです。


調査概要

夏の季節における連続休暇の代名詞と言えば「夏休み」ですので、Instagram※のハッシュタグ「#夏休み」で投稿されたコンテンツをハッシュタグ別、国内地域別で分析し、夏の代表的なアクティビティ別で分析しました。
対象データは、「#夏休み」全投稿数2,296,054件(2017年8月28日時点)の直近から100,000件のデータとなり、夏の代表的なアクティビティも直近の100,000件のデータとなります。

※Instagramは、写真や動画を他人と共有するための無料SNSサービスです。画像という特性上、投稿写真にはコメントやハッシュタグなどの文字情報には表れない多くの情報が含まれ、企業にとって「今話題のモノやコトは何か」「それがどのように利用されているのか」といった消費者の動きを最も早く知ることができるツールの一つとなっています。

データから見た考察

図1:キーワードの出現頻度や相関の強さを視覚化(共起ネットワーク分析)
夏休みの投稿についてキーワードの出現頻度や相関の強さを視覚化(共起ネットワーク分析)した図
「全体」の投稿
夏休みは日本全国の観光地への旅行が多い印象があるなか、関東近郊での各種アクティビティや各種イベントへの参加が多いようです。夏の定番とも言える海やプール、花火大会に関連する投稿が多いのですが、今夏は例年とは異なる傾向がいくつか見られました。


地域別の投稿

Instagramに位置情報を追加した投稿を対象に都道府県別で分類しました。

都道府県別投稿数
第1位:東京都(13.5%)
関東近郊にお住まいの方をはじめ、遠方からの旅行客が多い東京都での投稿数が第1位です。東京の中でもお台場からの投稿が多く、今夏の天候不順の影響からか、テレビ局、ショッピングモール、屋内遊園地など屋内施設利用が目立ちました。

第2位:沖縄県(10.2%)
国内の中でサマーリゾート地の代表とも言える沖縄が第2位です。沖縄本島の国際通りや万座ビーチからの投稿に加え、宮古島、西表島、石垣島などの離島からの投稿も多く、連続休暇の利用ならではの旅行を楽しんでいるようです。

第3位:神奈川県(7.2%)
第3位となった神奈川県では、江ノ島、鎌倉、由比ヶ浜からの投稿が多く、関東近郊の有名ビーチとして人気の高さがうかがえます。また、箱根からの投稿も多く、夏を避暑地で過ごす消費者動向も忘れてはなりません。

第4位:千葉県(6.7%)
オリンピックのサーフィン会場に選ばれるなど千葉にも有数のビーチが存在しており、各海水浴場からの投稿が多くみられます。しかし、それ以上に多く投稿される施設は東京ディズニーリゾートであり、人気の高さがうかがえます。また、国外へ旅行される方が多いシーズンということもあり、成田空港からの投稿も数多くあり、全国で第4位となりました。

アクティビティ別の投稿

「#夏休み」の投稿を分析し、同時に付けられるハッシュタグの中から夏の代表的なアクティビティに関する投稿を分析しました。

【#海】
海というロケーションでの投稿は「海」の写真が多いのですが、景色以外に写っているモノをAIによる画像分析を行ったところ「ネイル」が一緒に写っている投稿が多いことが分かりました。海でのファッションは水着やアクセサリー以外にも、ネイルへの関心度が高いことがわかります。
夏休みの投稿についてキーワードの出現頻度や相関の強さを視覚化(共起ネットワーク分析)した図
【#プール】
関東近郊のプールからの投稿を分析したところ、サマーランド、よみうりランド、としまえんからの投稿が非常に多いのですが、それらプールに匹敵する投稿数がホテルニューオータニから投稿されています。今夏の「インスタ映え」という言葉の代表例でもある「ナイトプール」を楽しんでいるようです。
夏休みの投稿についてキーワードの出現頻度や相関の強さを視覚化(共起ネットワーク分析)した図
【#花火大会】
全国各地で開催される花火大会ですが、投稿数は上位から「神宮外苑(東京都)」、「大曲(秋田県)」、「関門海峡(福岡県、山口県)」となっています。テレビ中継もされるほど有名な隅田川花火大会の投稿が少なかったのは、開催日当日が悪天候となったことによる影響と思われます。
夏休みの投稿についてキーワードの出現頻度や相関の強さを視覚化(共起ネットワーク分析)した図

モノ造りに関する戦略

夏の季節は旅行やイベントなどの開催も多く、消費の機会が増える季節です。モノの消費に向けた戦略を練る際に商品自体の魅力をアピールする視点も大切ですが、消費者はコトを楽しむための一つにモノを必要としており、「海でネイル」といった一見関係性の無いモノとコトが合わさった楽しみ方を求めています。

モノとしての商品訴求、コトとしてのシーンでの商品訴求

ジャパン・カレントとしての考え

ジャパン・カレントでは、体験型モノ消費=「コトをもっと楽しむためのモノ消費」の流れではないかと考えます。例えば、ロックやジャズミュージック等のフェス(コト)でミュージシャンとのつながりをより強くするラバーバンドやTシャツなどのグッズ(モノ)を身につける、あるいはInstagramへの投稿(コト)で、より多くのLikeやコメントをもらうためにフォトジェニックなモノを食べる、モノを買うなど、消費者は「コト」をさらに楽しめる「モノ」を求めているのではないでしょうか。

モノを買ってもらうには、トレンドを知り、少しずつ形を変えていく「モノ造り」や「ターゲットに届ける方法」が重要です。ジャパン・カレントでは、このようなSNSを活用したトレンド調査とターゲット設定でお客様の販売戦略を支援することができると考え、SNS画像解析サービスの提供を開始いたしました。

今回は、夏の季節におけるマーケット調査の一部をご紹介しましたが、今後もSNSを活用したターゲットの設定方法等もご紹介していきたいと思います。

本レポートで用いた分析手法は、当社サービス「SNS画像解析サービス」を使用して分析を行いました。SNS上に投稿された情報から「利用シーン」「人物」「物」などに分類してそれぞれの言葉の結びつきを分析し、トレンドなどを「見える化」することが可能です。

AIを活用したSNS画像解析サービスの詳細は、Webサイトをご覧ください。
 https://www.japan-current.com/services/sns-analytics/


ジャパン・カレントは、今後もマーケティングにITを組み合わせることで新たな価値を提供していく取り組みを続けてまいります。